
パイガオポーカー(Pai Gow Poker)は、中国伝統のドミノ牌ゲーム「牌九(パイガオ)」の2手に分割するロジックと、西洋のポーカー役(ハンドランキング)を融合させた、カジノの定番テーブルゲームです。
プレイヤー同士でチップを奪い合う心理戦ではなく、ブラックジャックやバカラと同様に「プレイヤー vs ディーラー(ハウス)」の1対1対戦で行われます。
最大の数学的特徴は、全ゲームの約41.5%が「プッシュ(引き分け)」になるという極めて高い引き分け率にあります。資金の増減が緩やかで、カジノの中で最も長く・低リスクに遊べるテーブルゲームとして、特に北米やオーストラリアで絶大な支持を集めています。
1. パイガオポーカーの基本ルールとデッキ構成
使用するデッキ(計53枚)
通常のトランプ52枚に、ジョーカー1枚を加えた「計53枚」を使用します。
ジョーカーは完全なワイルドカードではなく、「バグ(The Bug)」として機能します。
- ストレート、フラッシュ、ストレートフラッシュ、ロイヤルフラッシュを完成させるための任意のカード
- それ以外の場合は、すべて「A(エース)」として扱う
そのため、役の最高峰として「ファイブ・オブ・ア・カインド(Five Aces:Aが4枚+ジョーカー)」が存在します。
2. ゲーム進行:7枚を「5枚」と「2枚」に分ける
テーブルに着いたプレイヤー全員に7枚ずつのカードが配られます。プレイヤーはこの7枚を以下の2手にセットします。
| ハンド | 枚数 | ルール |
|---|---|---|
| ハイハンド(High Hand / Back) | 5枚 | 通常のポーカーハンドを作るメインの手。奥側に置く。 |
| ローハンド(Low Hand / Front) | 2枚 | ペアまたはハイカードを作るサブの手。手前側に置く。 |
【絶対規則】ファウル(即座に負け)
「5枚のハイハンド」は、必ず「2枚のローハンド」よりもポーカーの役として強くなければなりません。
ローハンドの方を強くセットしてしまうと「ファウル(Foul)」となり、勝負を行う前にその場で賭け金が全額没収されます。
分ける手順に迷った場合は、カードを伏せたままディーラーに「House Way, please(ハウスウェイで)」と依頼すれば、カジノの公式マニュアルに従って数学的に最も負けにくい最適手に自動で並べてもらえます。
3. 勝敗の決定基準と配当比率
プレイヤーとディーラーの手をそれぞれ「ハイ vs ハイ」「ロー vs ロー」で比較します。
| 結果 | 勝敗条件 | 配当比率 |
|---|---|---|
| プレイヤーの勝ち | ハイ・ローの両方で勝利 | 1 : 1(等倍) (※伝統版は5%コミッション控除) |
| プレイヤーの負け | ハイ・ローの両方で敗北 | 賭け金没収 |
| 引き分け(プッシュ) | 片方勝ち・片方負け(一勝一敗) | 賭け金全額返還(損益ゼロ) |
コピーハンド(同点)はバンカー勝ち
ポーカーの役や数字が完全に同一だった場合(例:お互いのローハンドが「A-K」同士など)、これを「コピーハンド(Copy Hand)」と呼び、ディーラー(バンカー)の勝ちと判定されます。これがカジノ側のハウスエッジの基本構造です。
4. パイガオポーカーの確率とハウスエッジ
標準的なハウスウェイでプレイした場合の出現確率は以下の通りです。
| 結果 | 出現確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| プレイヤーの勝ち | 約 28.6% | 両手勝利で配当獲得 |
| プレイヤーの負け | 約 29.9% | コピーハンド判定により微差で負けが上回る |
| 引き分け(プッシュ) | 約 41.5% | 賭け金が無傷で戻る |
ハウスエッジ(控除率)の比較
- 伝統的パイガオポーカー(5%コミッション制): 約 2.73%(プレイヤーがバンカー役を務めない場合)
- フェイスアップ・パイガオポーカー(Face Up版): 約 1.6% 〜 1.8%
(※ディーラーのAce-Highパイガオ時に全プレイヤーがプッシュになるルールでハウスエッジを相殺) - フォーチュン・ボーナス(サイドベット): 約 7.8% 〜 8.2%(高控除率のためメイン重視が推奨)
詳しい実戦戦略、ハウスウェイの並べ方、Face Up版の落とし穴については、パイガオポーカー初心者完全ガイド(戦略コラム)で徹底解説しています。